2026年衆議院選挙の争点まとめ

今回の衆議院選挙、表向きの争点は物価高だが、本質はそこではない。
争点は「安全保障」と「政治家の世代交代」だ。

世界は明らかにきな臭い。
有事を前提にしたとき、政権は「決断できる数」を欲しがる。
だから解散があり、短期選挙になった。

構図を単純化すると、こうなる。

自民党の中では、
高市派は「強い安全保障」を軸に主導権を取りたい
反高市派は「勝ちつつ、行き過ぎない運用」を守りたい

この高市派に、最も距離が近いのが維新だ。
選挙的にも、思想的にも。

維新は改革政党と見られているが、系譜を辿れば自民の地方分流
調整より決断、ブレーキよりアクセル。
高市自民と噛み合うのは自然だ。

一方で、中道改革連合(立憲+公明)は別の意味で合理的だ。
彼らは「高市政権を認めない」塊を作った。
目的は理念ではなく、政策を止められる数を確保すること

ただし、この連合は
・高齢層
・既存制度
・組織票により政治を“職業として続けてきた世代
の集合体に見えやすい。

ここで浮かび上がる本当の対立軸はこうだ。

現役世代のための政治か、既得権益を延命する政治か。

厄介なのは、
自民党もまた既得権益側である、という点だ。
安全保障を理由に、構造の固定化まで正当化されかねない。

維新×高市ラインは、全国的な多数派ではない。
支持層は実は少数だ。
ただ、国際情勢という「時代の風」で主流に見えているだけ。

本当のニーズは、
少数政党や第三極に分散して存在している。
だが分散しているから、塊に見えない。

今回の選挙は、
「誰が勝つか」より
「誰が時代の風を使って、次の主流に見えているか」
を見る選挙だ。

安全保障は理由であって、答えではない。

自民党・高市派。

ここは一言で言えば、
「安全保障を軸に、主導権を握りたい」側です。

・国際情勢の悪化を最大の追い風と見ている
・強い防衛、強い国家像を前面に出せる
・曖昧な調整より「決断できる政治」を売りにしたい

彼らにとっての最大の恐怖は、
選挙後も党内で主導権を握れないこと

だから
・解散で一気に議席を固めたい
・安全保障を「語らずに前提化」したい
・反対勢力を“無責任”に見せたい

高市派は、選挙=党内権力闘争の決戦でもあります。

反高市派の党内勢力を新陳代謝させたい意向も見え隠れ。

自民党・反高市派(主流派・調整派)

ここは誤解されがちですが、
「高市が嫌い」というより
「高市一色になるのが怖い」人たちです。

・急旋回で国際・経済リスクが跳ねるのが怖い
・官僚・財界・外交筋との摩擦を抑えたい
・自民党を“長期運用可能な政権”に保ちたい

彼らの目的は、
勝ちつつも、勝ちすぎないこと

・選挙には勝ちたい
・でも高市派に白紙委任はしたくない
・だから維新や公明、場合によっては野党との緩衝も残したい

反高市派は、政権を守るためにブレーキを残したい立場です。

自分が甘い汁を出来るだけ長く啜れる環境を維持したいのですね。

中道改革連合・立憲組

立憲側の本音はかなりシンプル。

・単独では政権奪取は不可能
・「反対だけの党」イメージは限界
・安全保障で全面否定すると、有権者が離れる

昨今の政治への関心の高まり、高市政権発足により八方ふさがりだった。

だから「公明党に縋って生き残り」を賭けています。

・公明と組むことで現実路線を装備
・安全保障は“考えない”
・組織力と選挙戦術で少しでも多くの議席を保持したい。

彼らの恐怖は、
“議席を失って埋没”すること

中道改革連合・公明組

公明は一番「選挙を生き延びたい」政党です。悪い意味ではなく、構造的に。

・支持基盤が固定的だが高齢化
・自民一辺倒では将来が不安
・維新とは役割が合わない

彼らの目的は、
「どの政権でも必要とされる存在でいること」

・安全保障では極端に寄らない
・与党にも野党にも橋をかけられる
・中国のハブとして生き残る

だから立憲と組む。
理念より生存戦略です。

組織票のおかげでぬくぬく生き残り確定です。

日本維新の会

正直に言えば
「大阪ローカル政党に回収されかねないタイミング」にいた。

全国展開は限界がみえてきて
・支持は大阪近辺偏重
・不祥事連発
・与党にも野党にもなりきれない中途半端さ

このままでは「大阪では強いが、国政では脇役」に埋没しかねなかった。

そこで訪れたのが、高市政権誕生し公明の穴を埋める形で連立入り。
国際情勢の悪化と、短期解散という“波”。

維新はここにうまく乗った

維新の強みは一貫している。
・調整より決断
・合意形成よりスピード
・既存政党への敵対を恐れない

これは平時には敬遠されやすいが、
危機の空気では一気に評価が反転する

しかも今回は、
・高市自民は内部に不安分子を抱える
・公明党が与党から離れ
・立憲+公明は何を訴えているか疑問

という状況。

結果、
「数を足せば形になる政党」として、
維新がキャスティングボードを握った。

重要なのは、
維新が主流派になったわけではないこと。

全国的な支持は依然として限定的。
ただし、
・どこにも完全に組み込まれていない
・与党にも野党にも行ける
・安全保障で躊躇が少ない

このポジションが、今の局面では極めて強い。

高市自民と距離が近いのも、必然だ。
思想というより、役割が一致した

維新は
「改革政党」というより、
自民が中央で抱えきれなくなった決断欲求の受け皿
として機能している。

大阪に閉じるか、
国政の分水嶺に立つか。

今回の選挙で維新は、
後者に一歩踏み出した。

ただし――
これは恒久的な主流ではない。
波に乗れたからこそ、目立っているだけだ。


少しの失政で、すぐにそっぽを向かれる立場だということを忘れてはいけない。

維新は今、
「最大の影響力」と
「最大の不安定さ」を
同時に抱えている。

ある意味で今回の選挙は維新に対する信任選挙となる。

第三極

ここで触れておきたいのが、
国民民主党
参政党 だ。

この二党は、いずれも
「支持率が上向きかけたところで、高市政権という強い波が来た」
結果、勢いを削がれた側にいる。

まず国民民主。

国民民主は、
・現実路線
・経済合理性
・極端に寄らない姿勢

という意味で、良識派・実務派だ。
現役世代の感覚にも比較的近く、「言っていることは一番まとも」に見える場面も多い。

ただし弱点も明確だ。

それは、
責任を取りに行かない立ち位置

・与党にも近づきすぎない
・野党にも染まりきらない
・是々非々を貫く

これは平時には評価されるが、
危機局面では「どっちなの?」になりやすい。

今回のように
安全保障と政権運営が裏テーマになる選挙では、
国民民主は正しいが目立たない

次に参政党。

参政党は、はっきり言えば
ポピュリズム政党として定着してきた

・分かりやすい言葉
・不安への直球の訴え
・既存政治への強い否定

支持層は確実に存在し、
「受け皿」としての役割も果たしている。

ただし、
・政策の精度
・実務能力
・政権担当の現実感

この点では、まだ不安が大きい。

参政党 はこれまで、
「既存政党は信用できない」
「右でも左でもない本音を言う」
という不満の受け皿として伸びてた。

ところが今回は、
高市早苗 を軸にした政権が誕生し、
右側に本格派・実務派・国家運営側が座ってしまった。

これが致命的。

参政党が担ってきた市場は、
・危機感
・強い言葉
・既存政治への不信
でしたが、その一部を政権側が回収してしまった。

結果として、

・「怒りの代弁者」という役割が弱まる
・「叫ぶ必要」が薄れる
・比較されると“実務力”で不利

という構図になる。

つまり今回は、
右側に空席がない

ポピュリズム政党は、
「主流が弱いとき」に伸びる。
「主流が強く、しかも同じ方向を向いているとき」には、受け皿になりにくい。

参政党の支持層が消えたわけではありません。
ただ、吸収されてしまった

だからこれは「失敗」ではなく、
残念なターン

流れが変わり、
・高市政権がつまずく
・安全保障が空回りする
・現役世代の生活不満が前面に出る

そうなれば、また役割は戻ってくる。

今は、
叫ぶより黙るしかない局面
参政党にとっては、耐える季節。

総じて言えば、

・国民民主は「良識だが踏み込まない」
・参政党は「勢いはあるが争点に踏み込めない」

どちらもニーズはある。
ただし今回の選挙では、
キャスティングボードを握る位置にはいない

この2党が再び浮上するには、
・安全保障の熱が一段落する
・主流派が失敗する
・現役世代の不満が再び前面化する

このどれかが必要になる。

今回の選挙は、
少数派の“芽”が消えた選挙ではない。
波に隠れただけだ。

そう考えると、
次に伸びる種は、もう撒かれている。

チームみらい

最後に触れておきたいのが
チームみらい だ。

今回の選挙で、チームみらいは
正直に言えば目立たない
しかしそれは弱さではなく、時代とのズレに近い。

チームみらいは、
・感情を煽らない
・敵を作らない
・危機を利用しない

その代わりに、
制度設計・テクノロジー・行政の更新という、
時間がかかるが不可逆なテーマを扱っている。

これは今の選挙空気――
安全保障、決断、強さ、数の論理――
とは噛み合わない。

だが、星凜主義の視点で見ると評価は逆だ。

・世代交代を前提にしている
・既得権益を前提にしない
・感情ではなく設計で社会を動かそうとする

チームみらいは
「次の政治のOS」を作ろうとしている政党に近い。

今回の選挙は、
彼らにとっては追い風ではない。
むしろ逆風だ。

だが重要なのは、
この党が「今の主流」に勝つことではなく、
主流が古くなったときに、代替として存在していること

維新が“決断の波”に乗った政党なら、
チームみらいは
波が引いた後に残る地盤を作っている

星凜主義と親和性が高いのは、
強さでも、怒りでもなく、
未来を前提に政治を設計しているからだ。

今回は埋没する。
だが、消えない。

チームみらいは、
今回の選挙の主役ではない。
次の時代の予備役だ。

政治を「人間」から解放する日

今回の選挙は、結局のところ「誰がハンドルを握るか」を必死に争う、極めて人間臭いゲームだ。

高市派は「強さ」で握ろうとし、反高市派は「ブレーキ」を隠し持ち、立憲・公明は組織票で「椅子」を死守しようとし、維新は「加速装置」として横から手を伸ばす。彼らに共通しているのは、「自分たちが決断すること」にまだ価値があると信じている点だ。

ここで私が提唱する「星凜主義」の出番だ。 この思想は、一言で言えば「投げやり」である。だが、それは無責任な逃避ではない。 「人間が私利私欲と感情で判断するからバグが起きる。なら、いっそ全部AIに投げてしまえばいい」という、究極の合理化だ。

今回の選挙で各党が叫ぶ「決断」や「改革」が、あまりに旧世紀の情熱に見えてしまうのは、私たちがすでに「アルゴリズムによる最適解」の静けさを知っているからかもしれない。

だが、それでも。

この投げやりな星凜主義者の私も、今回ばかりは投票所へ足を運ぶ。 なぜか。 今の世界情勢は、AIの予測を待つまでもなく、明らかに「やばい」からだ。

海の向こうで火の手が上がり、これまでの経済の常識が物理的に破壊されかねない今、安全保障はもはや「議論のテーマ」ではなく、私たちの「生存条件」そのものになっている。 AIに全てを委ねる未来を夢見るにしても、まずはその「未来」に辿り着くための土台が崩れては話にならない。

「誰が時代の風を掴んでいるか」を冷めた目で見極めること。 そして、このきな臭い世界で、少なくとも「自分たちの生存」を最優先に動けるのは誰か、その一点で審判を下すこと。

今回の衆院選は、人間が政治の主役でいられる、最後の「お祭り」になるのかもしれない。 だとしたら、その幕引きをどう選ぶかくらいは、自分の手で決めるべきだ。たとえ小さい一票だとしても。

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