東京都議選(2025年)──多くの既存政党が議席を減らす中、公明党は22人立候補中19人当選という、相変わらずの“鉄壁の勝率”を維持した。
支持率は全国で3%台。テレビ討論にもあまり出ない。党首の名前も知らない人が多い。
──なのに、なぜこんなにも地方選に強いのか?
それは、「勝てる戦しかやらない」という孔明ばりの選挙戦略と、組織票の超合理的運用にある。
今回はその“戦略の真髄”を紐解いてみる。
【数字で見る】公明党の“異常な”選挙結果
- 2025都議選:22人立候補 → 19人当選(勝率86%)
- 全国の地方議会でも数多くの議席を維持
- 一方、支持率は3%程度と低位安定
🗨️ 「これが“勝てる戦しかしない政党”の実力」
■なぜ3%政党が勝ちまくるのか? ──公明党の選挙勝利メカニズム
① 全国民政党ではなく「票割り精密機構」
- 公明党は候補者を必要最小限に絞り、「通る見込みがある選挙区」だけで戦う。
- そのうえで、創価学会の支援者に票を“割り振る”。
- A区には10000票、B区には7500票、など「必要な票数」が割り当てられる。
- 学会員はその通りに動く。これが“信者の再現性”の強み。
- つまり支持率3%でも「出す場所と数を絞れば100%勝てる」。
② 地方選挙は投票率が低いから強い
- 東京都議選の投票率は40%程度。つまり6割が棄権。
- 組織票がその分“重く”なる。
- 例:区によっては1万~1.5万票でトップ当選できる。
- 学会員がその地域に3000人いれば「家族票」込みで到達可能。
- 無党派層が寝ていてくれれば公明党の勝ち。
③ 逆風でも“ほぼ”全員当選できるほど徹底した票管理
- 今回の都議選(2025年)では【22人中19人が当選】。
- 惨敗ではない。「冷静に見ると勝ちすぎ」である。
- “無双”とはいかないが、それでも「落とすに落とせない鉄壁の票数」を築いている。
2. 【核】公明党を支える“組織票”
- 実質的には創価学会の支援組織
- 信者の動員力、徹底した選挙指示、家族ぐるみの票確保
- 選挙前には「この区には○票」「この人を応援せよ」と指示が下る
📌 票読みが外れない限り、“当選請負装置”になる
3. 【戦略】“孔明の選挙術”と呼ばれる所以
- 全国展開はせず、候補を絞り、勝てる区に全力投入
- 投票率が低く、無党派層の動きが読みやすい地方議会に照準
- 1票の重みが大きい地方ほど、組織票が効果を発揮
🧠 「戦わずして勝つ」戦略の極致
4. 【2025年の異変】完璧な票割りに“ほころび”?
⚠️ 「票の精密機械」にノイズが入り始めている
東京都議会議員選挙、投票率は47.59% 前回より5.20ポイント上昇 期日前の投票者数は過去最多に
負けたらニュースになる公明党
選挙巧者だけに久しぶりに落選者を出しただけでニュースになっています。
この事実が異常だと個人的には思ってしまいます。
東京都議選、公明党が9回連続の全員当選逃す 36年ぶり落選者
🟥 1. 「組織票」が取り切れない激戦区での逆転
大田区・新宿区で候補者落選となりました。
大田区では定数7、新宿区では定数4、その中で各党が候補者を出し合う激しい争いで、投票率が上がったりダークホースが現れたりして票読みが外れた可能性があります
大田区の結果
新宿区の結果
🟥 2. 強烈な競合候補の存在
- 大田区・新宿区ともに野党系や無所属・地元強みの候補が多数出馬
- 先に紹介した選挙コンサル記事では、大田区の複数候補(都民ファ・自民・再生の道など)との3〜4つどもえの激戦だったことを指摘note.com+1note.com+1。
- 特に大田区では、都民ファースト系の無所属候補が突出して票を集め、公明党現職2名は“圏外”と報じられていますy-ichikawa.net+7komei.or.jp+7note.com+7。
🟥 3. 攻めが届かず「猛拡大」が裏目に?
- 公明党自身も選挙直前に「無党派層や他陣営から票を取り込む“猛拡大”が急務」としていた(例:大田区、相手強豪区での悲鳴)komei.or.jp。
- 結果、従来の“確実な組織票+無党派少量囲い込み”戦略が、新たな選挙環境では刺さらなかったことが浮き彫りになりました。
🟥 4. 組織票の質・絶対数の低下が響いた可能性
- 朝日新聞も報じている通り、公明党は36年ぶりに複数の候補者が落選し、「創価学会の“集票力”低下」への懸念が示されていますasahi.com+1bzmm.jp+1。
- 特に支援層の高齢化や動員力の鈍化が、激しい選挙での有効票確保に乗り切れなかったと見られます。
✅ 結論と票読みにおける“失敗”点
要素 | 大田区・新宿区での問題 |
---|---|
激戦区での競合 | 野党・無所属など票の分散が激化 |
猛拡大戦術の非効率 | 無党派に届かず、票が伸びず |
支援組織の動員鈍化 | 組織票だけでは定数確保に至らず |
🟨 今回の都議選における“異常”とは何か?
✅ 1. 公明党の効率は依然としてバケモノ級
- 支持率3%で22人立候補→19人当選(86%)
→ 普通の政党なら“奇跡”レベル。むしろ今回も十分「鉄板」。 - 自民党が組織票を持ちながらも大幅減(全体31→23)している中で、共倒れを避けつつ生き残ったのは立ち回りの勝利。
🔥 しかし、従来戦術が“完全無敵ではなかった”理由
❶ 新規勢力の台頭が票読みを狂わせた
- 参政党・国民民主:議席獲得に成功
- 再生の道:議席ゼロだが約39万票を獲得
- 無視できない浮動票勢力として、各区で「どこに流れるかわからない分散ノイズ」となった。
- → 公明党の“絶妙な票割り精度”を狂わせる要因に。
❷ 投票率が5%上昇(→約50%)
- 投票率上昇は組織票政党にとって“ノイズ”
- 普段投票しない層が動くと、従来のコントロールが効かなくなる。
- → 大田区・新宿区のような“誤差致命傷”の選挙区では、票割りが「数百票」ズレただけで落選。
🧩 自民党と対照的な公明党の動き方
指標 | 公明党 | 自民党 |
---|---|---|
候補者数 | 絞って22名 | 乱立気味(45) |
勝率 | 86%(19/22) | 約47%(21/45) |
戦術 | 必勝区に集中投下 | 都内全域に展開(分散) |
評価 | システム理解度◎ | 組織力依存の敗北感 |
🟥 今後、公明党の「票読みシステム」は崩壊するのか?
- 現時点では「まだ機能している」。
- しかし:
- 無党派が積極的に投票するようになると 組織の優位性が崩れやすい。
- 「再生の道」などの“どこに票が行くか分からない”存在は、公明党の票割りアルゴリズムに対するジャマー(妨害電波)になる。
- 政治への関心が高まるほど既存の政党には逆風になる。
🌟 結論:今回は“奇跡的敗北”ではなく“予兆”かもしれない
公明党は「票割り支配モデル」の完成形として長年無敵でした。
しかし、今回の都議選はそのモデルにノイズが入り始めたサインです。
新勢力の台頭、投票率上昇、無党派の流動化…
そのどれもが、“票割り社会”へのカウンターです。
今後の地方選挙への影響は?
🟥 【旧体制】腐敗の温床? 組織票依存の自民・公明
✅ 地方を制す者は国を制す、だが……
- 地方選挙を徹底重視してきた公明党や自民党は、
- “鉄壁”の選挙マシーン(後援会、地元団体、宗教票)で勝ち抜いてきた。
- しかし今や、有権者にこう見える: 「勝つために手段を選ばず、中身がないまま制度に寄生してる存在」
📉 票はあるが支持がない
- 「支持率3%で無双」は、国民からの“好意”や“共感”とは無関係。
- 現代的な“政治的共感”を欠いた組織票依存は、新興勢力の攻撃材料になっている。
🟧 【中間層】中身はあるが決め手に欠ける民主・国民民主
🌀 国民民主:「政策通」だが、しがらみあり
- 実務・議論はうまい。予算・産業政策でも評価されている。
- だが、「連合」や企業スポンサーなどの“お伺い立てる”構造がまだ残る。
- 攻撃力はあっても、突き抜けられない壁がある。
🟩 【新興勢力】参政党の「破壊力」
🚩 維新・れいわに続く「第三極ブーム」の継承者
- 参政党の最大の武器は共感されやすい“身近さ”と攻撃性。
- SNS発信、街頭演説、学校給食、マスク論、ワクチン問題、グローバリズム批判など、テーマが鮮明。
- **地方議員150人当選という“下からの包囲網”**でじわじわ拡大中。
- 今回の都議選でも【新宿区で議席獲得】=「お試し票」→「定着票」へ。
⚠️ 公明・自民の構造を“古い”と一刀両断
- 組織票で議席を維持する老害政党に対して、 「今の日本を変えられるのは俺たちだ」という“カルトではなく熱狂”を演出中。
🧩 今後の注目:誰が「票の再分配」を制するか?
政党 | 長所 | 弱点 |
---|---|---|
自民・公明 | 組織票・全国展開 | 時代遅れ・腐敗の象徴に見られやすい |
国民民主 | 実務派・議会対応◎ | しがらみ・中庸すぎて見えにくい |
維新 | 統治力と改革路線 | 地方偏重・関西依存 |
れいわ | 共感と弱者視点 | 政策が夢物語扱いされやすい |
参政党 | 熱狂と現場主義 | 過激・陰謀論系に誤解されるリスク |
星凜さんのコメント

「・・・政治って、思想とか理想じゃなくて、“票のマネジメント”ゲームだったんですね。
皆さん、3%で無双できるなら、それはもう“革命”じゃないですか?
・・・でも私は、そんなゲームを壊すために来たのです。思想で、希望で、民衆の自発で、勝つために。」
「・・・“腐った組織”には、共感と覚悟で勝つしかありません。
SNSで1万いいね取っても、1票にはなりません。でも、票に変わる思想を届けられれば、風は起こせる。
地方を制するなら、“組織票”ではなく、“思想票”で。私は、そういう選挙を始めます。」
コメント