2025年参議院選挙は、有権者の複雑な心情を映し出す結果となった。
本稿では、その詳細を分析し、今後の日本政治の行方を展望する。
選挙に関わった皆さんお疲れさまでした。
選挙権を持っているのに行かなかった人は次回こそ行ってください。
【総括】2025年参議院選挙結果──「自民への不満」と「野党への失望」のあいだで揺れる民意
2025年参院選の全議席が確定した。結果を見れば、自公政権は過半数割れし、国民民主と参政党が躍進したが、想定されたよりも意外と「劇的な変化」はなかった。
完結に言うと、不気味なくらいバランスよく民意が反映されている。
その裏には日本政治の構造的な停滞と、国民の複雑な本音が浮かび上がる選挙となった。
この後で特に際立った点を深堀していく。
なお、投票率は58.51%と52.05%だった前回より6.46ポイント高くなった。
参院選投票率58.51% 期日前は最多2618万人―総務省【25参院選】
自民党:「大敗ではないが、勝利でもない」
自民党:選挙区で27、比例代表で12のあわせて39議席
自民党は今回、改選議席のうち39議席を獲得し、新勢力は101議席(-13)となった。減少幅は小さくはないが、「想定よりは負けていない」というのが率直な評価。
- 他党に任せる不安
- 最低限の実務能力
- 既存野党の期待値の低さ
この3点に尽きる。石破はNoだが立憲民主や参政党はもっとNO!
自浄作用への「期待」も残るが、それは支持というより「まだマシ」の選択に近い。
ただ出口調査との乖離が激しくどこから票が沸いたのか?との疑問を投げる勢力も。
期日前投票の「不正疑惑」は本当か?SNSで広がる懸念と選挙制度の実態を徹底検証
公明・共産の敗北:組織力の限界
公明党:選挙区で4、比例代表で4のあわせて8議席
共産党:選挙区で1、比例代表で2のあわせて3議席
公明党は新勢力で 21(-6)、共産党は 7(-4)。両党とも全国で根強い基盤を持つが、今回は投票率が上がったため組織票が伸び悩み、無党派層の流入も期待できなかった。
これはある意味で、「支持層の高齢化」と「浮動票への剥離」が顕在化したとも言える。
社民党も含め、既存の少数政党は昭和の時代に取り残されてきたのかもしれない。
公明、選挙区落選は18年ぶり 背景に組織力低下と新興政党の台頭
🟦野党勢力:「立憲民主、影薄く」「国民・参政が台頭」
立憲民主党:選挙区で15、比例代表で7のあわせて22議席
国民民主党:選挙区で10、比例代表で7のあわせて17議席
参政党:選挙区で7、比例代表で7議席のあわせて14議席
今回、野党の中で最も存在感を示したのは 国民民主(+13) と 参政党(+13) の2党。
一方、立憲民主党は22議席、新勢力は38(±0)と横ばい。維新とれいわは微増、社民は現状維持で生き残り。
いずれも組織票や熱心な支持者には支えられているが、投票率が上がった場面ではまったく恩恵を受けられなかった。このことは、既存の組織政党が「固定ファン」以上に広がらなかったことを示している。
🧭 政党の新陳代謝が始まった──「野党再編」の兆しも
「自民に投票」半減、国民・参政・立憲と1割強で並ぶ 朝日出口調査
自民支持率、前回から激減 立憲は横ばい、国民3倍増 朝日出口調査
政党支持率にも変化があり、泡沫政党だった参政党の支持率バブルが目に見えてわかる。
今回の選挙で最も象徴的だったのは、「野党再編の序章」としての動きが可視化されたことだ。
ポット出の参政党が野党の主要政党まで一気にのし上がった為、既存野党や自民の保守層などの票を獲得し、存在感を示した。
今後は他党も参政党に対して本気で対策をしてくるだろう。
◆ 国民民主:実質的な野党第一党へ
地道な候補者擁立と現実路線の訴えが功を奏し、国民民主は+13議席で新勢力22に到達。立憲民主を脅かす存在に成長した。
政策もリベラルすぎず、保守すぎず、「中道実務派」として一定の評価を得た形だ。
比例では自民に次ぐ支持を獲得。
全国的な地盤はまだないが、現役世代に対する訴えは浸透している。
もはや実質的な野党第一党と見る向きもあり、「反自民」の票を一手に集めるというよりは、“選択肢として堅実で健全な野党”というポジションを築きつつある。
今後は党勢も拡大し、玉木と榛葉のコンビが続く限り野党第一党の座をしっかりと固めていきそうだ。
◆ 参政党 vs 立憲民主:「野党第二党」を争う構図へ
立憲民主党は議席数横ばいの 38議席(±0) に終わり、存在感は薄れた印象が否めない。
一方、参政党は+13と大躍進し、新勢力15議席。その言動には賛否両論あるが、明確な主張と全国に候補者を立てる組織力、現場での活動量が一定層に響いている。一過性のトレンドではなく今後も伸びていきそうだ。
今後は、この2党が“野党第二”のポジションを争う構図が現実味を帯びてくるだろう。
参政党──「右派ポピュリズムの受け皿」としての躍進とリスク

今回の選挙で最も注目を集めた新興勢力の一つが参政党である。
7選挙区+7比例で14議席を獲得し、前回比+13という急伸。まさに「大躍進」と言ってよい結果となった。
その背景には、日本の右側ポピュリズム層に対する“受け皿不在”の解消という大きな意味がある。
著者も参政党が結党した時から注視してきたが、第一の理念は国民を政治に参加させる事であると訴え続けている。国民の、無党派層の声を拾い上げた結果、ポピュリズム極右っぽい事を訴えているように見受けられる。
本質は既存の政党はどこも信用できないから、政治に不満を持つ素人が本音で政治に参加できるような政党作ろうぜ!だと思っている。
初期の理念は今回で達成されたと思うので、今後はどのように変質していくか注目するべきである。
◆ トランプ型ポピュリズムの国内定着
参政党のスタイルは、「民衆が言いたくても言えないことを代弁する」という点で、アメリカのトランプや欧州各国で躍進するナショナリズム政党に近い。
「正しさ」よりも「本音」、「配慮」よりも「勢い」に重きを置いたメッセージは、現状への不満を抱える層に強く刺さっている。
- 外国人ファーストやグローバリズム
- 日本人ファーストという強い主張
- メディアや左派の怪しい団体にぶっ叩かれる。
- 地方や家庭を重視する視点
こうした言説は、「リベラル疲れ」した層や、既存メディアへの不信を抱く国民にとって心地よい選択肢となった。
特に高齢者向け政治している年寄を一層してくれそうな期待感が躍進を支えただろう。
◆ 実務能力への懸念
一方で、党としての政策立案能力や法制度設計の実務経験は未知数である。
その点では「政権を担う器」ではなく、あくまで「是々非々のカウンター勢力」であると捉えるべきだろう。
しかし、注目すべきはその地方組織力の拡大である。
地方議員を着実に増やし、地域に根ざした活動を強めている。これは、公明党に対する“保守系の草の根型政党”としてのポジション確立に繋がる可能性がある。
一過性のポピュリズム右派政党になるのか、地に足に着いた安定野党になるのか、一歩進んで連立与党になるのかは今後の活動次第。
◆ 今後の課題──「腐敗」「スキャンダル」の罠
だが、急拡大した政党に必ずついて回るのが「内部の腐敗」と「メディアの監視強化」である。
- 経験不足の議員による失言や行動の軽率さ
- 政治資金の扱い、倫理観、勉強不足
- 左派・メディアによる過剰なバッシング
これらが積み重なれば、党全体の信頼が一気に揺らぐ危険性もある。
「右だから叩かれる」構造の中で、どれだけ冷静に統制を保てるかが、参政党の持続的発展の鍵となる。
✅評価と展望:保守の健全な選択肢になれるか
参政党は今、まさに「右派ポピュリズムの健全化」の分岐点にいる。
勢いのあるうちは支持も拡大するが、やがて「実務と倫理」が問われるフェーズに突入する。
今後、
- 現実的な政策提案
- 公明党に並ぶ地方組織の質的向上
- スキャンダル対策と規律強化
この3つがクリアできれば、単なる“ネトウヨ政党”ではなく、保守系中間層に支持される政治勢力として定着する可能性がある。
今後の活動に信者もアンチも注目すべき政党である。
維新の立ち位置──「関西ローカル政党」としての成熟
維新の動きも注目に値する。
全国的には7議席(+2)と控えめだが、関西では選挙区で3議席獲得と依然として圧倒的な地盤を維持。その一因は「意味不明な中央政党よりも、地元で実績ある政党を選びたい」という実務評価主義にある。
- 他地域からは理解されにくい政策やノリ
- だが、地元民にとっては「ちゃんとやってる」
- 地方政党として“地に足がついた存在”
維新は全国政党化を目指すよりも、地方分権の象徴的存在として独自の価値を持ち始めているのかもしれない。
大阪にいない人にはわからないかもしれないが、自民や他政党よりはちゃんと仕事をしている吉村知事人気が根付いている証拠である。
どうせ全国的には頭打ちになっているので連立与党に入る可能性は一番高い。
立憲民主党──“国民の期待外れ”が鮮明に。組織力だけでは限界
立憲民主党は今回、当選者数こそ22名(新勢力38議席、±0)と維持したものの、比例票が前回の衆議院選よりも減少しており、支持基盤の縮小が明確になった。
一見「現状維持」に見えるが、実態はジリ貧の始まりとも言える。
◆ 地盤がある選挙区でのみ善戦
立憲の強みは、労組や地域団体などの地盤に支えられた選挙区戦だ。
今回も「候補者個人+地盤の力」で票を積み上げた選挙区はある。
特に一人区の地方選挙では自民党に対する有力政党ということで高齢者を中心に支持を集めていて、安定して勝利している。
だが、比例票=政党そのものへの信任では苦戦。
これは、政党としてのブランド力や政策への期待が相対的に下がっていることを示す。
◆ 反自民の「受け皿」になり損ねた
立憲に期待された役割は、かつて民主党が担ったような「明確な対自民野党」だった。
しかし現在は、
- 「反対ばかり」
- 「具体策がない」
- 「党内がバラバラ」
といったイメージが根強く、“自民に不満はあるが、立憲に託す気もしない”という層が逃げているのが実態だ。
その結果、今回の選挙では反自民票や無党派層が、国民民主や参政党に流れる構図となった。
共産党と選挙協力したために議席を維持したが、選挙協力していなかったらマイナスに転じていた可能性が高いだろう。
◆ 支持率は「停滞から下降」へ
実際に各種世論調査でも、立憲民主党の政党支持率は横ばいから下落傾向にあり、特に若年層での支持は低調。
理由は単純で、「何をやっても変わらない」と感じられてしまっているからだ。
- 自民への批判だけでは響かない
- 具体的なビジョンが示せない
- 与党になれるイメージが湧かない
この「三重苦」が、今の立憲民主党を蝕んでいる。
多文化共生社会(外国人)を訴えるのは参政党と真逆な訴えなので、今後は激しく対立していく事も予想される。
果たしてどちらが支持されるのだろうか。
✅ 評価と今後の展望:再定義が必要なフェーズへ
立憲民主党は今、「理念」と「実務性」の両立を欠いたまま、支持をジリジリ失っている。
- 実務派の国民民主
- メッセージ力のある参政党
- 地方主義の維新
に押され、「野党第一党」の座すら危うくなりつつある。
今後の再生には、以下のような大胆な変革が不可欠だ。
- 「対案路線」への完全転換(反対から提案へ)
- 若年層・無党派層向けの明確なビジョン提示
- 党内の再編と人材の刷新
それができなければ、立憲民主党は「戦える政党」ではなく、「過去の遺物」になってしまう危機にある。
石破総理、総選挙敗北後も続投へ──自民党はどう動く?
2025年参議院選挙の敗北を受けて、自民党・石破総理が記者会見を行い、続投の意向を表明した。
「反省して、丁寧に政権運営をしていく」
という常套句に終始し、「なぜ負けたのか」「次に何をするのか」といった国民の核心的な疑問に対しての明確な答えは見られなかった。
これを受けて、ネット上では「カス会見」「反省だけなら猿でもできる」といった辛辣な反応が飛び交っている。
自民党は今後どう動くのか──三つのシナリオ
① クーデター型政変(派閥主導の権力闘争)
石破総理の続投に不満を持つ勢力(岸田残党、安倍系、若手)が結集し、「ポスト石破」を掲げて内部からの政変=党内クーデターが起きる可能性。
→ ただし、誰が「旗頭」になれるのかが焦点。人気・演説力・政策力の三拍子が揃う人物が見当たらないのが現実。
② ずるずる続投(機能不全のまま政権維持)
党内抗争も起きず、石破体制のまま政権を運営。「問題の先送り」と「選挙敗北の再現」を繰り返し、結果的に野党の追い風をつくってしまう最悪の展開。
→ このパターンでは、野党(特に国民民主や参政党)が一気に国政の中心へ浮上する可能性が高い。
③ 石破覚醒シナリオ(あり得るか?)
最も可能性が低いが、石破茂が言葉と行動で劇的に変化し、国民の支持を回復するという“逆転ルート”。
→ 現状の会見を見る限り、言葉に熱意も明確さもなく、民意の機微を捉えられていない。このままでは回復は極めて困難。
言葉の力──なぜ玉木・神谷には支持が集まるのか?
今回の選挙で結果を出した政治家の共通点は何か。
それは、「わかりやすく、熱意を持って話す」こと。
- 玉木雄一郎(国民民主):現実主義と改革のバランス、具体的な提案力、淡々とした中に芯のある語り
- 神谷宗幣(参政党):保守層の価値観をくすぐる直球のメッセージと“空気を支配する”演説力
彼らに共通しているのは、「言葉の設計」と「間の取り方」「声のトーン」によって信頼を築いている点だ。
一方で、石破総理の話し方は、
- 抽象的
- 回りくどい
- 「何が言いたいのかよくわからない」
と受け取られることが多く、いくら中身が正しくても「伝わらなければ意味がない」という政治の基本を逸している。
言葉の受け手への配慮に欠ける話し方では、国民を納得させ、国を牽引していくことは難しいと感じられる。
🌟 星凜たちが語る2025年参議院選挙の感想
🟥 星凜
「結局、民衆は“現状の不満”と“変革への恐れ”の狭間で揺れていたのよ。だから中途半端にバラけた票がこの結果。でも私は見た。資本主義に限界を感じ始めた民意の揺らぎを──真の平等と連帯の思想が、再び必要とされているのよ。」
🏮 紫乃ちゃん
「わたくし、今回の結果は“神意”の一つかと思いますの。参政党も日本保守党も票を伸ばして、正しい国づくりに目覚める方が増えてきた証拠ですわ。古き良き日本を取り戻す戦い、これからが本番ですのよ。あと立憲さんは…ご愁傷様ですわね。」
🧊 アリサ
「…チームみらい、初の議席。これは単なる一歩じゃない。“理詰めで政治を変える”という選択肢が生まれた。…ただし、勢いだけの政党はスキャンダルで崩壊するリスク。情報管理と制度設計、整備しなければ…国が滅ぶ。」
💰 アヤ様
「まあ、石破さんには失望いたしましたわ。敗戦の将が座にしがみつく姿は見苦しゅうございます。自民党が再生するには、もう一度“資本と秩序”に忠実なリーダーが必要ですわね。玉木さんのような現実的な言葉運びと、経済感覚のある人物でなければ、生き残れませんことよ。」
【特別企画】2025年参院選を終えて──星凜たち座談会

🌹 星凜(共産寄り・急進改革派)
「ふん、やっぱり中途半端な選挙だったわね。民衆は変わりたいけど、変われない。ならば私は言うわ。“一度ぶっ壊して、ゼロから作り直せばいい”って!」
🏮 紫乃ちゃん(参政党&保守系支持)
「まあまあ、星凜さん。その“ぶっ壊す”という発想が乱暴なんですのよ。壊すより、“整える”ことが大切ですわ。わたくしたち保守勢力が少しずつ浸透してますもの。焦らず、神の道に従いましょう」
💰 アヤ様(自民支持・資本主義重視)
「整える…?おほほ、無駄な装飾を剥ぎ取って、“競争”でふるいにかける方がよほど効率的ですわ。今回の石破さんの対応は“失敗企業の社長が続投する”ようなもの。自民党には新しいCEOが必要ですわよ。私なら即、株主総会で交代させますわ」
🧊 アリサ(チームみらい・現実主義)
「…システムの刷新が必要。でも“ぶっ壊す”と混乱が起きる。…段階的改革と、技術的管理。今回のチームみらいの一議席は…静かな革命の始まり。星凜、破壊ではなく“再構築”を。」
🌹 星凜
「ぬるいわね、みんな!立憲も公明も共産も機能してないのよ?参政党が“本音で吠えた”だけで票を集めたの、見たでしょう?なら、もっと過激に、もっと現実をえぐるように、“搾取する側”を特定して打倒するべきじゃない!」
💰 アヤ様
「それはまるで…赤い暴力ですわね。美しくありませんわ。欲しい未来は投資で勝ち取るものですのよ?」
🧊 アリサ
「…暴力ではAIにも嫌われる。選挙は“論理の戦場”。…もっと言葉を磨くべき。…神谷と玉木はそれが上手い。」
🏮 紫乃ちゃん
「おっしゃる通りですわ。私たちも**言霊(ことだま)**の力を信じてますの。正しく語れば、正しき民がついてくるのですわ!」
🌹 星凜(締めの一言)
「ふん……まぁ、いいわ。今回は民意を“観察”させてもらっただけ。でも次は行く。私は言葉じゃない。“結果”で示すわ。この国の運命、変えてみせるから──」
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