維新と高市が組む。完全に関西主導の政権だ。
この瞬間、長く続いた「東京一極集中の時代」が静かに終わりを迎えつつある。
政治の軸が動いた。首都はそのままでも、権力の重心は確実に西へ移っている。
いま関西には勢いがある。
京大出身の二人がノーベル賞を受賞し、阪神タイガースは再びリーグの頂点に立ち、日本一へと挑む。
そして、奈良出身の高市早苗が総理へ――。
大阪を拠点に現実的改革を進めてきた維新との連携で、政治までもが「関西化」していく。
これは単なる政権の交代劇ではない。
価値観そのものの転換だ。
「しがらみよりも実行」「理念よりも成果」「中央ではなく地域から」。
関西が育ててきた現実主義と人情の政治が、日本全体を動かす力を得た。
科学も経済も文化も、すでにその流れに呼応している。
京都大学・阪大・神戸大からは次々と世界的研究者が生まれ、
企業はスタートアップやエネルギー技術で再び関西圏に集まりつつある。
ここに政治まで加われば、いよいよ“日本の心臓”が西に戻る。
守りの連立が「本質政治」へと進化する
著者が7月26日に書いた「自民と維新の守りの連立」──それは混乱を防ぐための“防御陣形”として構想されていた。
しかし3か月を経て、高市政権が樹立されるとなると現実はさらに進む。
守りの連立は、関西主導の「本質政治」へと変貌した。
当時、自民党は議席数で過半数を維持できず、公明党との関係にも綻びが見えていた。
一方の維新は、大阪では無敵でも、全国政党としての壁にぶつかっていた。
お互いが“現実の必要”で結ばれた関係――それが始まりだった。
だが、その連携は今や単なる便宜ではなく、構造改革のエンジンになりつつある。
維新が持ち込む「身を切る改革」と「地方分権」の理念。
高市政権が掲げる「国家の持続可能性」と「産業自立」。
この二つが合わさることで、日本政治に久しく欠けていた「理念と実務の統合」が生まれる。
議員定数削減、政治資金の透明化、地方財源の再配分──
いずれも時間のかかる課題だが、これらを議論のテーブルに乗せ、実際に前へ進めることこそが“本質の政治”だ。
東京の論理ではなく、現場の合理。
理念ではなく、持続可能な仕組み。
関西はその現実主義を日本全体に輸出しようとしている。
維新の政治改革
維新の強みは、スピード感と既得権益の断罪だ。
決断が早く、説明が端的で、敵を作ることを恐れない。
そのやり方は時に乱暴に見えるが、停滞した政治構造を動かすには、それほどの衝撃が必要なのだろう。
大阪では、この「維新流」が定着して久しい。
行政コストの削減、役所の民間委託、教育や医療の効率化――
結果、サービスの質が落ちたという批判もある。
だが一方で、長年政治を蝕んできた汚職や談合体質は確実に減った。
古い利権を潰すと、新しい利権が生まれるのが世の常だが、
少なくともその循環のスピードは上がり、停滞よりはましだという空気が大阪にはある。
維新のコストカットは、単なる節約ではない。
「過剰な構造を削って、未来に備えるための投資余地を作る」ことだ。
もちろん、その浮いたお金が必ずしも社会に還元される保証はない。
だが、少なくとも“回らない仕組みを動かす”という実績を、維新は何度も見せてきた。
維新の戦略
そして今回の連立でも、維新は権力にすり寄る道を選ばなかった。
大臣ポストを受け取らず、閣外協力に徹する姿勢は、
「ポストよりも改革」「体制よりも現実」を選んだ意思表示だ。
その裏には、したたかな計算もある。
成果が出れば「維新が動かした」と言える。
失敗すれば「自民が足を引っ張った」と切り離せる。
リスクを取らずに成果だけを共有する、極めて政治的な立ち回り。
だがそれもまた、リアリズムの政治だ。
大阪で維新が既存政党を駆逐したのは、理想論ではなく結果主義を貫いたからだ。
この“現実主義の連鎖”が、今後は日本各地へと広がっていく。
地方自治体の再編、教育現場の制度改革、行政DX――
どこも維新流の「早い・安い・切る」改革を模倣し始めるだろう。
その流れが真の改革となるのか、あるいは「新しい既得権」の再生産に終わるのか。
それを決めるのは、政治ではなく国民の成熟だ。
関西の風が全国に吹き荒れる中で、
我々が問われているのは、スピードの中に“持続”を見出せるかということだ。
竹中平蔵とは?──淘汰の哲学を政治に持ち込んだ男
日本の構造改革を語るとき、竹中平蔵という名前を外すことはできない。
小泉純一郎政権のブレーンとして登場し、「聖域なき改革」を唱え、郵政民営化を実現した。
しかしその改革の本質は、「効率を高めるために弱者を切り捨てる」という思想だった。
竹中が導入したのは、グローバル資本主義のルールであり、**「競争こそ正義」**という哲学だ。
成果を上げた者には報酬を、立ち遅れた者には淘汰を。
国家は再分配を減らし、市場に任せる。
その結果、企業は利益を増やし、非正規雇用が増え、地域格差が拡大した。
「努力しない者は自己責任だ」という冷たい言葉が常識として定着したのも、この時代からだ。
構造改革の果てにあるもの
維新の改革路線は、竹中の哲学をより現実的に、よりスピーディーに実践するものだ。
コストカット、民営化、既得権の破壊。
大阪でそれが一定の成果を上げたからこそ、いま全国規模での“維新モデル”が始動している。
しかし、この先に待っているのは「公正な競争社会」ではなく、激しい淘汰社会だ。
社会保険料の引き下げは「若者のため」と説明される。
だが実際には、医療・介護・生活保護などの公的支援が縮小され、病人や高齢者は“自助”を迫られる。
行政のサービスは民間委託され、「安くて早いが質の低い」ものが主流になる。
地方自治体は効率化の名の下に合併・統廃合され、地域コミュニティは失われていく。
これが構造改革の終着点だ。
国家はスリムになり、企業は身軽になる。
だが人間は置き去りにされる。
「強くなれ」ではなく「強くなれない者を許せ」
淘汰の社会では、「生き残ること」が価値になる。
自己投資、自己防衛、自己責任。
しかし、全員が勝者になれる社会は存在しない。
強者が生まれた瞬間、必ず弱者も生まれる。
だから本来、政治とは「競争の後始末」を担うものだった。
勝者を称えるだけでなく、敗者が再挑戦できる土台を整えること。
それが消えれば、社会は静かに冷えていく。
竹中平蔵が作った“効率の美学”は、確かに一時の繁栄をもたらした。
だがその美学を無批判に拡張すれば、社会は「不具合のない荒野」になる。
整然として、清潔で、静かだが――誰も笑っていない国。
それでも私たちは生き延びる
淘汰の時代に必要なのは、悲観でも怒りでもなく、“構造を理解する知性”だ。
社会がどう変わり、どんな方向に進むのかを理解し、そのうえで自分の位置を定めること。
「逃げ切る」というのは、そういう知的なサバイバルのことだ。
強者の時代が来る。それはもう避けられない。
だが、強さの意味を取り違えなければ、まだ未来はある。
真に強いとは、誰かを切り捨てる力ではなく、誰も切り捨てずに前へ進む知恵を持つことだからだ。
手綱を握る者──高市早苗という秩序の要
激しい淘汰の時代を迎えた日本において、改革の波を制御できるのは、やはり“政治”の力だ。その中心に立つのが、高市早苗という存在である。彼女は奈良の風土に育ち、古い日本の価値観と新しい時代の理性の両方を理解している。維新のようなスピードと断罪の政治は必要だが、放っておけば社会は冷たい競争の荒野になる。
この維新の勢いという“刃”を、国家の再生に振り向ける手綱を握れるかどうかが、高市政権の真価となる。総理の椅子は、「手綱を握り続ける試練」を意味する。
高市総理が直面する二重の課題
高市総理に課せられるのは、以下の両立である。
- 維新への対応: 維新の求める「身を切る改革」の旗を降ろさず、同時に改革がもたらす社会的な痛みを最小限に抑えるセーフティネットの強化。
- 党内への対応: 党内の旧体制、既得権益、そして改革に抵抗する官僚機構からの**政治的圧力を跳ね返し、**自身の改革理念を貫く政治的腕力。
強者の自由を認めつつ、弱者を支える仕組みを再構築できるかは、彼女の理念と現実的な調整能力の全てにかかっている。そして願うのは、閉じた連立ではなく、開かれた議論だ
そして願うのは、閉じた連立ではなく、開かれた議論だ。
国民民主党の積極財政、参政党の教育改革、れいわ新選組の弱者保護──
それぞれの訴えの中には、部分的に真実がある。
イデオロギーではなく“現実の声”を政策に取り入れることができれば、
日本はようやく「淘汰社会」から「成熟社会」へと踏み出せるだろう。
高市が握る手綱が、改革を暴走させるための鞭ではなく、
国を導くための“舵”となることを、私は心から願っている。
これからの1〜2年、高市政権と政治改革の時代へ
これからの日本は、高市早苗政権のもとで政治改革が加速します。
維新がパートナーとして動き、行政スリム化や透明性強化が進むでしょう。
つまり、この1〜2年は「政治家が本当に働いているか」が最も見えやすくなる期間です。
国会も地方議会も、言い訳のきかない“可視化の時代”に入ります。
だからこそ、次の選挙では政党よりも個々の議員の実行力と誠実さを見るべきです。
自分の選挙区の議員をチェックする視点
① 国会でどんな質問をしているか
国会質疑や委員会発言を調べましょう。
国民の生活に直結するテーマを取り上げているか?
それとも官僚が用意した答弁に乗っているだけか?
「質問回数」よりも「質問の質」に注目です。
② 公約は何を掲げ、何を実現したか
選挙公約を公式サイトや選挙公報で確認。
言っていたことが法案提出や委員会発言につながっているか。
公約が“口約”になっていないか。
③ 政治資金の透明度
政治資金収支報告書を確認しましょう。
企業献金・団体献金の比率が高すぎないか?
資金の流れが不自然でないか?
「クリーンさ」は、仕事の質より重要な“土台”です。
④ SNS・地元活動の内容
SNSは「発信の多さ」ではなく「内容」で判断。
対立や誹謗ではなく、政策説明・議会報告・対話をしているか。
地元活動では、どんな層の声を拾っているか。
イベントや街頭演説のアーカイブも確認してみましょう。
⑤ 政策分野での専門性
議員によって得意分野は異なります。
経済、教育、防衛、福祉、科学技術など、
その人がどの政策を“軸”にしているのかを把握すること。
専門を持たない議員は、改革の時代に取り残されます。
チェックリスト
評価項目 | チェック内容 | 評価(◎○△×) |
---|---|---|
国会での活動 | 質問・発言の中身が現実的で有意義か | |
公約実行度 | 具体的成果があるか(法案・制度) | |
政治資金の透明度 | 献金構造・収支に不自然な点はないか | |
発信と説明責任 | SNSや地域で政策を説明しているか | |
専門性 | 得意分野を活かし国政に貢献しているか | |
改革対応力 | 行政・教育・福祉などの制度改革に積極的か | |
協調性 | 他党との議論・修正協議を避けず取り組んでいるか |
総合的に見て「国民のために働いている議員」ならイエス。
ポジショントークやSNSパフォーマンスに終始しているなら退場。
この1〜2年で、政治の構造が確実に変わります。
高市政権のもとで、維新のスピード感と保守政治の秩序がどう融合するか。
その中で「誰が本当に国を動かしているのか」がはっきり見えてくる。
次の選挙では、政党ではなく実績を示せる人間を選ぶ。
それが、国を強くし、社会を温かくする最初の一票です。
政党別チェック:次の2年、誰が本当に仕事をするのか
自民党・高市派──「本気の保守」が試される
高市派は、いまや政権の中核。
「改革の手綱」を握り、行政・防衛・経済をどう再設計するかが問われる。
彼らが真に“保守”であるなら、守るべきは既得権ではなく国家の継続性である。
政治資金・人事・法案の透明化に踏み込めるか。
“強い日本”を口にするだけでなく、“誠実な日本”を形にできるか。
それが高市派の真価だ。
自民党・反高市派──「選挙で勝てる自民」を取り戻せるか
反高市派は、いま一番追い詰められている。
派閥政治の古い構造を抱えたまま、世論に嫌われつつある。
だが、もし彼らが“国民の声を吸い上げる現場型政治”に切り替えられれば、
一気に評価は変わるだろう。
問題は、どこまで現場に降りてくる覚悟があるか。
東京の永田町で空気を読んでいるだけでは、もう生き残れない。
立憲民主党──「反対党」から「提案党」へ脱皮できるか
立憲がこの2年で変われるかどうかが、日本の野党の命運を決める。
“自民の逆張り”をやめ、独自の経済・教育・社会保障政策を出せるか。
特に「子育て」「教育」「地方経済」で具体的数字を出せれば、一気に信頼を回復できる。
理屈ではなく、“生活を変える政策”を打ち出せるかが勝負。
公明党──「調整役」か、「存在感喪失」か
長年、自民のブレーキ役を務めてきた公明党。
だが維新との連立で“もう必要ない”という空気が漂い始めている。
この2年、公明が問われるのは「自分たちの存在理由を言語化できるか」だ。
宗教政党としてではなく、福祉と中間層の代表としての矜持を見せられるか。
それができなければ、支持母体の信仰心だけでは政党は保てない。
日本維新の会──「大阪モデル」を全国に輸出できるか
維新は改革の象徴だが、“大阪限定”の成功に依存している。
関西以外の地域で、住民サービス・教育・雇用の質を上げられるか。
スピードと断罪の政治を“全国語”に翻訳できるか。
大阪では維新でいい。だが東京や地方では、それをどう適応させるかが勝負。
改革の勢いが、地方の現場を冷やさないようにしなければならない。
参政党──「矛盾なき主張」ができるか
参政党の魅力は率直な物言いと行動力だ。
だがその主張が一貫していなければ、熱はすぐに冷める。
科学的根拠と政策的現実を結びつける力を持てるか。
社会運動の域を出て、政権運営の言葉を獲得できるかが鍵。
「感情」から「制度」へ。これが彼らの次の課題だ。
れいわ新選組──「山本太郎以外の声」を育てられるか
れいわの原動力は山本太郎の情熱だ。
だが一人のカリスマに頼る政治は、必ず限界を迎える。
この2年で、経済・福祉・環境など専門性を持つ人材をどれだけ集められるか。
「怒りの政党」から「解決の政党」へ――。
太郎の後ろに“思想で戦える仲間”をどれだけ並べられるかが鍵だ。
政党ごとに色は違うが、問われているのは同じこと。
誰が現実を見て、未来を描くか。
次の選挙で私たちが決めるのは、
「どの政党が好きか」ではなく、「どの理念を信じるか」だ。
星凜ちゃんの意見:これからの2年が、日本を決める。

日本がどこへ向かうか――それは、この2年にかかっています。
改革が進むのか、腐敗が進むのか。
新しい時代のリーダーが現れるのか、それとも独裁者が現れるのか。
未来の分岐点は、今まさに始まっています。
欧州やアメリカのように分断と暴力で政治が壊れていく国々とは違い、
日本にはまだ自浄作用が残されています。
その証拠が、投票率50%台という“静かな余白”です。
半分の国民がまだ「動いていない」。
つまり、未来はまだ動かせるのです。
この国を立て直す第一歩は、国会でもなく官僚でもありません。
地方議会を取り戻すこと。
生活の現場を握る人たちが、政治の現場に戻ることです。
特に40代・50代――就職氷河期世代の皆さん。
あなたたちは苦しみも矛盾も知っている。
だからこそ政治に出てください。
理念だけでなく、現場を知る人が議会に入ることが、
本当の改革を始める唯一の道です。
そして、我々有権者の使命はただ一つ。
組織票で通るだけの連中を、きっぱり退場させること。
国のためではなく“組織のため”に働く政治家を減らし、
個人の責任で動ける政治家を増やす。
それができたとき、日本の政治はようやく光を取り戻すでしょう。
改革は「いつか」ではなく、「これから」始まります。
この2年が、次の10年を決める。
そして――
この国の未来を動かすのは、誰でもない、
あなたの一票なのです。
- 高市政権、維新連立で「東京一極集中」終焉へ。始まる関西主導の淘汰と再生
- 高市連立政権、始動──議員定数削減で見える「右派と左派の最終決戦」
- 立憲民主党は何故抵抗するのかー旧時代の政治思想
- 高市VS玉木 政局の盤面
- 東京一極集中の時代は終わり、これからは関西の時代
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