決算シーズンに浮き彫りになった“異常事態
GW明けで大企業様は決算シーズンです。
日本の大企業が続々と巨大赤字からのリストラ案を発表しています。
5月の風物詩ですね。
日産、2万人リストラへ 2027年度までに実施 生産拠点も統合で黒字化目指す
シャープ亀山第2工場売却、液晶パネル事業が重しに…家電・通信事業に注力へ
- パナソニック、日産、シャープ――相次ぐリストラ計画
- 数千人単位の人員削減、国内外の工場縮小
- だが業績悪化の理由を語らぬ経営者たち
「それは本当に“構造不況”なのか?
いいえ、観測力の欠如です。」
【日産 ― 観測する商品がない企業】
◆ 売れる車が“存在しない”
- 現行ラインナップに「買いたいと思わせる車」が無い
→ ノート、オーラ、セレナ…可もなく不可もない凡車 - 一方で、中古市場ではフェアレディZ、GT-Rが根強く人気
→「過去の遺産」が今も息をしている
◆ ゴーン体制前、ゴーン逮捕以降の無策
- ゴーン改革で財務健全化(延命)したが、商品開発は切り捨て
- 技術者軽視、デザイン軽視、ブランド戦略崩壊
- リストラの繰り返しで、企業の強みもリストラ済み
今の経営陣の観測力
- 「黒字化=成功」と思い込み、魅力創出を完全に放棄
- 競合(トヨタ・ホンダ・スズキ)はちゃんと“商品力”で売っている
- 日産ならではの価値がある車は結局何ですか?
「売れるものが無い企業が、経営している意味とは?」
【パナソニック ― コントロール不能な怪物企業】
◆ 部門はある、稼げるものもある。でも…
- EV電池、エアコン、住宅設備などは利益を出している
- しかしそれ以外が不採算の沼
- → 全体としては“利益を食い潰すゾンビ事業”の寄せ集め
◆ コントロールできない理由=組織設計の観測不足
- 事業ごとのPDCAも曖昧
- 全社横断の意思決定は遅く、責任が不明
- 「なぜこれに金が流れているか誰も答えられない」状態
◆ 処方箋:分社化による“観測可能性の確保”
- 各事業を明確に切り分け、独立採算に
- ソニーの“ソニーフィナンシャル分離”のような戦略的分社
- 観測できる単位にすれば、経営判断が可能になる
「巨大な船は沈むのも早い。ならば、切り離してそれぞれに航路を任せよ。」
【シャープ ― もはや“空箱”だけが残る企業】
◆ かつての英雄:「目の付け所がシャープでしょ」
- 世界初の液晶電卓、亀山モデル、AQUOS、ガラケー文化…
- 技術もセンスもあり、時代の先端にいた
- しかし「量産力とブランド維持力を観測しなかった」
◆ 観測失敗の履歴書
● 1. 液晶一点集中の狂気
- 薄利で体力を削られ続ける構造に突入
- SamsungやLGと泥沼の消耗戦に→価格競争で敗北
- 他分野への投資が遅れ、技術的選択肢を失う
● 2. 鴻海(ホンハイ)による“分解吸収”
- 2016年、台湾の鴻海精密工業に買収される
- → 経営は外資主導に、技術や資産は吸い上げられる
- 亀山第二工場の売却=シャープブランドの終焉を象徴
● 3. 残された事業に“尖り”が無い
- 通信・家電に集中と言っても、どれも二番煎じ
- もはや「シャープでなければならない理由」が存在しない
【シャープはもはや“墓碑”】
- シャープとは、観測に失敗した技術屋の墓標
- かつて輝いていたものが、再定義もされずそのまま朽ちた
- いま残っているのは、ブランドの幽霊だけである
【3社の比較:観測できなかったもの】
企業 | 観測できなかったもの | 結果 |
---|---|---|
日産 | 顧客の“欲しい車” | 売れる車ゼロ、過去の遺産に依存 |
パナソニック | 自社の組織構造と制御限界 | 統治不能、無差別リストラ |
シャープ | 技術と市場のバランス | 外資に吸収され、魂消失 |
【東芝 ― “観測拒否”が招いた国家級の惨劇】
◆ かつては“総合電機の双璧”、今や解体寸前
- インフラ、重電、原発、家電、半導体、医療機器……
→ 全方位展開で“日本の中枢”だった企業 - しかしどの事業もタイミング・資源配分・リスク観測を誤った
◆ 主要な観測失敗
● 1. 粉飾による「自己観測」の崩壊
- 数字を盛ってでもよく見せようとし、経営が内部の幻想に支配される
● 2. 原発事業の誤観測(ウェスチングハウス買収)
- 未来を担うはずが、巨額損失の地雷に
- リスクを観測せず「儲かりそうだから」でGO
● 3. 株主への敵対姿勢=経営責任からの逃避
- 外部からの改革提案を排除し、内部統制と観測体制が崩壊
- 社員の信頼も、ブランド価値も地に落ちる
「日立と同じ道を歩めたのに、自分たちの構造を観測しなかった」
🔄【東芝 vs 日立:双子企業の分岐点】
比較項目 | 東芝 | 日立 |
---|---|---|
構造改革 | 拒否・内部統制強化のみ | 積極的に事業整理・集中 |
透明性 | 粉飾・隠蔽体質 | 開示と説明で信頼回復 |
観測対象 | 見たくない現実を遮断 | 世界と未来を直視 |
現在地 | 分割・売却・外資依存 | グローバル企業として成長続行中 |
日本の大企業を衰退させた“最大の原因”とは?
それは、経営陣の無能さ=観測力の欠如である。
◆ 1. 需要の“実感”なき経営層
- 上場企業病により、数字・資料・会議だけで意思決定
- 「顧客の声」や「現場の違和感」を体感せず、エクセルで企業を経営
- コンサルや海外トレンドを真似るだけで、自社の強みすら把握していない
→ 企業を経営しているのではなく、「経営しているフリ」をしている
◆ 2. 中長期的視野の欠如
- EVや半導体、サブスク、DX…
“流行”は追うが、“本質”を見ない - 「他社がやってるからウチも」は戦略ではなく逃避
- 技術を“育てる”のではなく、“買ってくる”という外部依存
→ 気がつけば、自前で戦える領域が一つも残っていない
◆ 3. 失敗しても責任を取らない構造
- 赤字を出しても報酬は億超え
- 現場が疲弊しても「責任者」はいない
- 経営陣は入れ替わるが、“構造”は温存され続ける
→ 経営責任を“観測する仕組み”がこの国には存在しない
【観測力こそが企業の生死を分ける】
「経営とは、未来を読む仕事ではない。
現在の構造を観測し、可能性を選び取る作業である。」
そして今、日本の大企業経営層にその力が欠けているなら、
それは社員でも株主でもなく、国家の損失である。
◆ 観測力とは何か?(定義)
「観測力とは、“何を見るか”を選び取る力である」
データでも印象でもなく、現実の構造や変化を読み取る意志と技術のこと
◆ なぜ重要か?
- 社会は複雑で、常にノイズが多い
- だからこそ「本質を見抜く力」が、個人でも企業でも生死を分ける
◆ なぜ経営者に必要か?
- 経営とは「リソースの配分」=どこに注ぎ、どこを切るかを決める行為
- 間違った観測をすれば、すべての選択が間違う
◆ なぜ読者にも必要か?
- あなたの就職、投資、消費、SNS投稿──すべては観測で成り立っている
- 間違った観測をすると、損をする/騙される/何も変えられない
- だからこそ、私たち自身が“観測者”であるという自覚を持たなければならない
【観測できた企業たち:成功の要因を簡潔に比較】
🚗 トヨタ(Toyota)
「全方位戦略を掲げ、時代に流されず顧客と現場を観測した企業」
- EV一辺倒を拒否し、HV・水素を含む多角的技術戦略を継続
- 豊田章男前社長が現場主義を徹底、「車を知る経営者」として改革
- 売れる車を出し続けて、ブランド信頼を維持
- 今や世界中の自動車メーカーが自爆しまくって非EVでは一強状態
🚙 スバル(Subaru)
「小さな企業だからこそ、戦える場所を正確に観測した企業」
- AWD、安全性能に特化し、“玄人向け”ポジションを死守
- 無理なEV展開は避け、提携(例:トヨタ)を活用してリスク分散
- 市場の隙間を見逃さず、堅実なファンを獲得し続けている
🎮 任天堂(Nintendo)
「流行に乗らず、“遊び心”の本質を観測し続けたエンタメ企業」
- スペック競争を避け、「面白さ」で勝負しSwitch大成功
- ゲーム市場の変動にも揺れず、常に“遊ぶ人の気持ち”を重視
- 他社に流されず、独自の文化を守り続ける戦略眼
🎧 ソニー(Sony)
「過去の失敗を糧に“観測可能な経営構造”に再設計した企業」
- 一時期の迷走を反省し、エレキ・ゲーム・金融などを分社化&再構築
- PS・イメージセンサー・音楽など“勝てる分野”に集中
- 企業を再定義し、技術+ブランドを再成長させた観測と判断力
🏗 日立製作所(Hitachi)
「重電からITサービスまで、徹底した“構造観測”で大企業病を克服」
- かつては「何をしてるか分からない企業」の代表格
- しかし近年は非中核事業を売却し、社会インフラ・DXに集中
- 技術と社会課題を結びつける観測力で、世界市場でも高評価
✒ 総括:成功する企業は、「何を見るべきか」「何を切るべきか」を観測している
同じ規模でも、観測できた企業は再構築され、できなかった企業は崩壊していく。
💎【アヤ様からの言葉】

「資本主義の世界では、“価値”を見極める者だけが生き残りますの。」
「売れる商品、育つ技術、残すべき部門──
それらを正しく観測し、選び取るのが経営者の務めでございます。」
「今回ご紹介した企業は、かつては皆様が誇る世界のトップ企業でしたわ。
けれど、観測を怠り、誤った選択を積み重ねた結果、地位は大きく変わってしまいましたの。」
「資本とは“命”でございます。
そしてその命は、どの経営判断にどれだけ注ぐかで未来を形作るのですわ。」
「経営とは、資本を賭けて未来を選ぶ責任。
中途半端な気持ちで預かってよいものではありませんわね。能力がない者に判断を委ねたり、外部に委託したりする時点で行く末は決まったようなものですわ」
「どうか、皆様。売れるから作る、ではなく、“価値があるから残す”という選択を。
資本主義とは、“本物を選ぶ”知性が問われる社会でございますのよ。」
「お金は嘘をつきません。価値もまた、隠せませんの。
経営に必要なのは、数字よりも“観測するまなざし”ですわ。」「皆様の誤った観測の代償を、社員と社会が払っておりますの。
どうか、ご自身の“経営というお遊戯”を見直すご覚悟をお持ちくださいませ。」
「経営者だけの話ではありませんわ。
資本主義に生きるということは、誰もが価値を見極め、観測し、選ぶ立場にあるということですのよ。」
「“見ていなかった”という怠慢こそが、最大の損失を生むのですわ。」
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