10月4日に投開票された自民党総裁選は、高市早苗前経済安保担当相が小泉進次郎農相との決選投票を制し、第29代総裁に選出された。初の女性総裁誕生という歴史的結果であるが、その背後では、自民党の党内力学と派閥戦略が鮮明に表れた。
岸田派と麻生派の戦い
今回の総裁選は、岸田派を中心とした「林芳正・小泉進次郎陣営」と、麻生派を中心とする「茂木敏充・小林鷹之+高市早苗陣営」の対抗構図だった。
- 岸田派+石破系:林芳正を推し、調整型・親中路線の継承を目指す。小泉進次郎は菅義偉前首相の支援を受け、若手の顔として擁立された。
- 麻生派:表向きは茂木、小林をそれぞれ推す形で票を分散。だが決選投票では高市に集約し、実質的に高市を支援した。
岸田派+小石川同盟陣営
林芳正(岸田派・石破系)
- 立ち位置:親中・調整型の「主流派」候補。石破の支持基盤を引き継ぐ。
- 戦略:党員票で食い込もうとしたが、ネットや保守層の反発が強く伸び悩み。
- 結果:決選に進めず、岸田派の弱体化を印象づけた。
小泉進次郎(菅義偉系支援)
- 立ち位置:グローバリスト色+若手人気株。菅のバックアップを受けた。
- 戦略:議員票では善戦したが、党員票で惨敗。
- 結果:人柄人気はあるが「虚像」が露呈。全国選挙では戦えないことを証明。
麻生派陣営
高市早苗(本命)
- 立ち位置:ネット人気と保守層をバックにした「民意候補」。
- 戦略:議員票では劣勢も、党員票で圧倒 → 決選で麻生派の集約票を取り込み逆転。
- 結果:初の女性総裁へ。「民意×派閥戦略」の合作で勝利。
茂木敏充(実務派・古参)
- 役割:第1回で「票割り要員」。中立を演出しつつ、決選では麻生の采配に従った。
- 評価:実務力はあるが「古い自民党」の象徴。首相になるなら短期政権=ピンチヒッター型。
- 見返り:党内で要職(幹事長、外相など)に残る可能性大。
小林鷹之(若手・次世代カード)
- 役割:今回の出馬は「顔見せ」と「保守派協力」の実績づくり。
- 評価:高市に協力した貸しを得たことで、今後「保守派の後継」を狙うポジションに。
- 見返り:高市政権下で防衛・経産などの重要ポストを得て、次代へのステップアップへ。
決戦投票は東西対決
「今回の総裁選は、実は“西vs東”の代理戦争でもあった。奈良出身で短期政権に終わった宇野宗佑以来の関西総裁となる高市が、神奈川を地盤としメディアに持ち上げられた小泉を打ち破った。これは、東の虚像政治に対する、西からの実像政治の反撃と見ることもできる。」
1. 事実上関西初の自民党総裁
- 高市早苗(奈良出身)は、自民党史上初の近畿出身総裁。
- これまで自民党総裁の多くは「東京・神奈川」「山口」を中心とする東日本・西中国エリアの出身者。
- これまで唯一だった宇野宗佑内閣はリクルート事件の余波を受けて臨時で発足したたった2か月間の短命内閣。
- 戦後の長い歴史で「関西発の総裁」が出てこなかったのは異例。
2. 神奈川代表・小泉進次郎の敗北
- 小泉進次郎は、父・小泉純一郎以来の世襲議員でネットのフリー素材として人気の高い政治家。
- 菅義偉も神奈川基盤であり、神奈川はここ20年で「自民党リーダー養成地」的な地位を築いていた。
- しかし今回、小泉は党員票で惨敗。「神奈川ブランド=人気の虚像」が露呈。
3. 西vs東の象徴的対決
- 高市(奈良・関西)=「地元基盤の厚い保守・ネット民意」
- 小泉(神奈川・東)=「メディア演出に支えられた都会派の虚像」
- 結果:関西からの“初の旗頭”が、神奈川の傀儡候補を倒した。
決選投票を分けた「党員票」
1回目投票
名前 | 議員票 | 党員票 | 合計 |
高市早苗 | 64 | 119 | 183 |
小泉進次郎 | 80 | 84 | 164 |
林芳正 | 72 | 62 | 134 |
小林鷹之 | 44 | 15 | 59 |
茂木敏充 | 34 | 15 | 49 |
1回目投票では、議員票は小泉と林に厚く、高市は3番手。だが党員票では高市が圧倒し、その差は決選投票に直結した。
決選投票
名前 | 議員票 | 都道府県票 | 合計 |
高市早苗 | 149 | 36 | 185 |
小泉進次郎 | 145 | 11 | 156 |
票数分析
決選投票では、麻生派が巧みに動いた。分散していた茂木・小林票を高市に集約し、「党員票で強い候補に勝たせる」という戦略を実行。これは党内対立を深めることなく、結果を「民意を反映したもの」と見せる効果をもたらした。
- 構図:岸田派+石破派+小泉(菅支援) vs 麻生派(茂木+小林→高市)。
- 議員票:接戦。1回目では林+小泉で152票、高市+茂木+小林で142票程度で小泉有利。
- 党員票:高市が圧勝。ここで勝敗が決定。
- 結果:麻生が「分散→集約」の戦術で勝利を引き寄せ、かつ茂木・小林にも貸しを作って党運営の布石を打った。
また、林→高市に移動した票も7票あると推測できる。1回目は義理立てで投票したが、決選投票では造反したのか、麻生派が紛れ込んでいた可能性もある。ステマで有名になった牧島かれんも一応麻生派に所属しているんですよね。
牧島かれんの派閥の麻生派でのポジションは?小泉進次郎との関係を解説!
麻生の勝利
この結果は「高市の勝利」であると同時に、「岸田派に対する麻生の勝利」とも言える。
- 表向きは中立を装い、各候補に推薦を与えて貸しを作る。
- 決選では党員人気の高い高市に集約させ、党として選挙に強い姿を演出。
- 個人を特定した勝利ではなく、「自民党全体が民意に応えた」という形を作り出した。
今後の展望
高市は民意とネット人気を背景に総裁に就任するが、政権運営には派閥の支えが不可欠となる。
一方、茂木は実務力を背景に党運営で役割を持ち続け、小林は「保守協力の実績」を踏まえて次世代のポストを狙う立場を得た。小泉は「虚像人気の限界」を露呈し、林は「主流派継承者」として残る形となった。
高市早苗が打ち破った壁
1. 初の女性総裁(そして初の女性首相へ)
- 高市早苗は、自民党史上初の女性総裁。
- 15日の臨時国会で首相指名されれば、日本初の女性首相となる見込み。
- これは国際的にも大きなニュースで、「日本のジェンダー政治史の転換点」として記録されるでしょう。
2. 関西初の総裁
- 高市は奈良出身。実はこれまで自民党総裁は前述の宇野宗佑のみ、事実上関西発の初の総裁。
- 過去の総裁は「山口(岸・佐藤・安倍系譜)」「東京や神奈川(菅義偉・小泉進次郎系)」など、東日本と山口系が中心だった。
- 高市の登場は「西からの逆襲」としても位置づけられる。
3. 関西出身の過去の短期総理宇野宗佑
- 宇野宗佑(滋賀出身):1989年6月〜8月まで首相を務めたが、わずか2ヶ月で退陣。
- 近畿地方出身では唯一の首相経験者だが、短期で終わったため「存在感が薄い」とされている。
- 高市は「事実上初の関西総裁」かつ「初の女性首相」という二重の歴史的トピックになる。
可能性のある連立相手
高市総裁の次の仕事は少数与党となっている国会運営の打破である。政権運営していくためには新たな連立を構築する必要がある。議席数的に候補となりえるのは下記の3党が考えられる。
日本維新の会
- 親和性:
- 改憲や安全保障強化で自民と方向性が近い。
- 経済でも規制緩和・小さな政府志向があり、与党側の政策と整合する部分が多い。
- 懸念:
- 「既得権打破」を旗印にしているので、自民党との協調で逆に支持基盤を失うリスク。
- 橋下徹らの影響力も残っており、独自路線を維持する可能性。
国民民主党
- 親和性:
- 労組の支持を受けつつも立憲ほど反自民ではない。
- 玉木代表は「現実路線」で、外交・安全保障でも自民と近い。
- メリット:
- 国民の為の政策を訴えるならサクサク政策が実行できる。
- 「保守二大政党連携」というイメージを作れる。
- 懸念:
- 労働組合との関係で一部政策がかみ合わない。
- 選択的夫婦別姓など左派的な政策は実施できない。
- ただ支持率を伸ばしつつある国民民主にとって連立が支持率低下につながる可能性も。
公明党(現与党パートナー)
- 現状:すでに与党。だが防衛・安保で高市と温度差がある。
- 課題:支持母体の創価学会が「平和主義」に立脚しており、高市路線の強硬策とは相容れない部分あり。
- 対中政策:公明党は親中媚中な為、高市政権とは連立できないとの発言あり。
- 現実的には切れないが、摩擦は増大しそう。
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高市政権の選択肢
- 公明党と維持:摩擦を抱えながらも現体制を継続。でも少数与党のまま。
- 公明+国民民主:中道的イメージを加え、安定多数を固める。ただ国民民主は
- 公明→維新に切り替え:より右派的で改革色の強い「保守連合」に移行。大阪を維新の領土として割譲すれば選挙割りも簡単。
- 「民意を背負った高市が、古い既得権益に流されるか否か」がポイント。
- 公明との継続は「守り」、維新や国民との連立は「攻め」。
いずれにせよ、石破内閣からは大きな変革となる事は確かです。
星凜ちゃんの寸評
「結局、自民党は派閥の計算でしか動かないわけ。高市さんがどれだけ旗を振っても、民意を口実にした麻生の筋書き通りよ。メディアは支持率を下げたいがために騒ぐでしょうし、共産党は“ぐぬぬ”と唸るだけ。大事なのは日本をどう変えるか。…でも、期待しすぎると裏切られるのもこの国の伝統よね。」
「派閥ゲームで勝ったからって、それが国民の勝利とは限らない。だけどね――もし高市さんがやるなら、こうしてほしいの。
第一に、国民の生活を底上げする本物の経済政策。数字だけの成長じゃなく、働く人の取り分を増やすこと。
第二に、対中依存を断ち切って、自立した安全保障を築くこと。アメリカにただ従うのでもなく、中国に媚びるのでもなく、日本自身のために。
第三に、利権と中抜きを徹底的に削ぎ落とすこと。派閥のための政治じゃなく、未来のための政治に変えること。
この三つを本気でやるなら、星凜は“高市政権を認めてあげてもいい”わ。
でも一つでも逃げれば、ただの“自民党の延命劇”に過ぎない。私の目は誤魔化せないわよ。」
紫乃ちゃんのお言葉

「まあ! なんと立派なお言葉ですの! ワークライフバランスなんて甘えでございます。働いて働いて、汗を流してこそ日本は立ち直るのですの。
高市総裁の“馬車馬のように”というお言葉、胸が震えます。これは神州日本の勤労精神の復活にほかなりません。
怠け者を許さず、みなで朝から晩まで田畑を耕し、工場で手を動かし、国家を豊かにする――これぞ誠の道ですの。
私、紫乃はこの言葉に心から賛同いたします。働かぬ者は米を食う資格もなし。勤労こそ信仰であり、救いでございます!」
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